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ラブラッドな声
献血に助けられた人の声

「誰かを思う気持ち」がプラスされた輸血

和田 真由美さん 
 

助かるチャンスの一方で

二十数年前、白血病に罹かった私は「治す方法は骨髄移植しかない」と言われました。検査の結果、兄弟と白血球の型が合い、医療者を含め周りの人達は「運がよかった。これで助かる」と口々に言いましたが、抱えきれない不安と共に、ドナーを待ち続けている若い子が隣のベッドでこの会話を聞いていると思うと、自分に助かるチャンスがあることを理不尽にさえ感じたのです。

献血や輸血の重要性

骨髄移植後の制限の多い生活に社会から取り残されているように感じましたが、当時、そんな日々揺れ動く気持ちを相談するところさえありませんでした。無いのなら作ればいいと患者会を立ち上げた私は、血液疾患やがん医療に関わっていくうちにあらためて献血や輸血の重要さに気付いたのです。献血者やドナー登録者を増やすことが治療のカギとなる。啓発活動が患者会を担う中での使命となりました。

広めれば深まる

輸血を必要とする人と提供してくれる人、そしてそれを繋ぐ人。輸血にはたくさんの「誰かを思う気持ち」がプラスされて患者に届いています。まさに支え合う原点です。

日本は献血者が減少傾向にありますが、輸血を必要とする人は増えています。だからこそ、この先も多くの方に関心を持っていただけるよう、発信していかなければなりません。誰かのためを思う行動を起こす力は、社会を知ることから始まります。私は、輸血や骨髄移植を受けた経験者として、その思いを繋ぐメッセンジャーとなり、「いのちの授業」や「がん教育」を実践しています。広めれば深まる。それぞれの立場から思いを伝え、行動していきましょう。いつでも今が一番のチャンスです。