献血は息子の命を繋ぎ、笑顔にしてくれました。
献血がくれた幸福な時間
私の息⼦は1歳4ヶ⽉で⼩児がんを発症して、3歳になる前に亡くなりました。
元気に⾛り回っていた息⼦が、まさか⼩児がんになるなんて、まるでドラマのワンシーンを⾒ているようで想像もしていませんでした。
⼩児がんと宣告されたその瞬間、息⼦を失うかもしれない恐怖と不安でいっぱいでした。
発症時には全⾝転移していた為、すぐに抗がん剤治療が開始され、強い吐き気や抜け⽑、全⾝の倦怠感などの副作用が出てきました。
息⼦はすっかり明るさをなくし、笑顔も減り⾷事も取れずとても⾟そうでした。
代わってあげられるなら代わってあげたい。
親はただそばにいることしか出来ず、何もできないことへの絶望を感じました。
ただ、そんな治療の中でも息⼦が笑顔になる瞬間があります。
それは輸⾎をする時です。
輸⾎をする時、息⼦は「今⽇は⾚⾊だね〜消防⾞と⼀緒だね」「今⽇は⻩⾊だね〜ショべルカーと⼀緒だね」と、⼤好きな働く⾞と血液バッグが同じ色であることを、看護師さんと嬉しそうに話していました。
輸⾎をすると、それまでぐったりして起き上がれなかった息⼦が急に起きあがって⾷事をするようになったり、おもちゃで遊んだり、「ママー」と笑顔で呼んでくれるようになります。
息⼦が久しぶりに笑ってくれるその瞬間が何よりも嬉しくて、涙が出るほど幸せでかけがえのない瞬間でした。
輸⾎は治療と違って息⼦を笑顔にしてくれたのです。
普段は嫌がる点滴も、からだが楽になるからか、⾃ら腕を差し出したりもしました。
⾟い治療の中でも輸⾎によって笑顔が増え、⼦どもらしい時間を過ごすことができました。
輸血は⼦どもたちの命を繋ぐだけじゃなく、笑顔に繋げてくれます。
献⾎にご協⼒いただいた⽅がいたからこそ、息⼦の命と笑顔を繋ぐことができました。
⼼から感謝いたします。ありがとうございました。
今後は同じように血液を必要としている⽅の為になるように、献⾎に積極的に参加していこうと思います。